日本透析医学会雑誌
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透析液への紫外線照射の効果 第1回日本透析医学会コメディカルスタッフ研究助成報告
岡部 稔光野 貫一吉田 美由紀新城 美穂子矢作 史子
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1997 年 30 巻 8 号 p. 1069-1072

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抄録

透析液中のエンドトキシン (ET) は, ハイパフォーマンス膜の使用にて看過できない問題になっている. その解決手段として, ダイアライザーに流入直前の透析液に, 紫外線を照射することによりETを減少させることを試みた.
多人数用コンソール10台中の5台に, 交互にUV装置を付けた. 照射開始日の3時間目と, 1か月目に透析液中のETを測定した. UV照射3時間目にては, ET濃度は照射群 (33.7±3.0pg/ml) と対照群 (36.4±11.6pg/ml) とでは統計的に有意差を認めなかった.
1か月目には, ET濃度は照射群 (8.9±3.2pg/ml) が対照群 (18.9±6.4pg/ml) より統計的に有意差をもって低下した. ダイアライザーへの流入直前の透析液に, 長時間UVを照射することで効果を得たことは, 現在の透析の消毒法の限界を示している. しかも, UV照射のみで満足する成果は得られないことより, エンドトキシンフィルターの使用も必要と考えられる.

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