日本透析医学会雑誌
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Bi-directional peritoneal dialysisシステムにおける溶質除去特性
鈴木 聡峰島 三千男佐藤 雄一樋口 千恵子石森 勇奥田 幸正石田 和寛金子 岩和阿岸 鉄三佐中 孜
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1999 年 32 巻 11 号 p. 1385-1390

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抄録

高効率な腹膜透析システムの1つとして, Bi-directional peritoneal dialysis system (BPD) を考案し, その開発を進めてきた. BPDはリバーシブルポンプを用い, 腹腔内に貯留した腹膜透析液の一部をPDカテーテルを通じて一時的に外部リザーバへ導くdrain phaseと, 外部リザーバに貯留された腹膜透析液を再び腹腔内へ戻すinfusion phaseを連続的に繰り返し, 回路途中に設置した外部ダイアライザによって腹膜透析液を積極的に浄化するシステムである. 今回イヌを用いた動物実験を行い, BPDの溶質除去特性について検討し, IPDおよびtidal PDと比較した. その結果4時間の動物実験でurea除去率はそれぞれ, BPD: 20.0±7.2%, IPD: 3.5±3.6%, tidal PD:17.3±4.7%また, クレアチニン除去率はBPD: 21.0±7.0%, IPD: 2.1±14.1%, tidal PD: 17.2±6.2%という結果が得られ, BPDの有用性が確認された. また患者体液, 腹腔内, 外部リザーバの3つのプールからなる3-compartment modelを構築し, BPDの溶質除去特性ならびに至適操作条件について検討した.

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© 社団法人 日本透析医学会
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