日本透析医学会雑誌
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腹膜透析排液中のinterleukin-6 (IL-6) とperitoneal equilibration testの諸因子に関する研究
渡辺 修一岩永 伸也石井 健夫佐藤 順一木村 靖夫小林 正之川本 進也川口 良人細谷 龍男
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1999 年 32 巻 4 号 p. 267-270

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抄録

腹膜機能検査の一つとして期待される排液中のIL-6値とperitoneal equilibration testの諸因子との関係について検討した. 1年以上腹膜炎の既往のない腹膜透析患者40例を対象とした. 2.5%透析液2Lを4時間腹腔内に貯留し, 中間点で採血した. 血中 (P) と排液中 (D) のIL-6, Cr, β2-MG, Albを測定した. Cr, β2-MG, AlbのD/P比を求め, さらにD/D0 glucose比を算出し, 排液中のIL-6値との関連を比較した. (1) 排液中のIL-6値は54.43±38.02 pg/mlであった. (2) 排液中のIL-6値と各指標との相関は, D/D0 glucose比ではR=-0.803 (p.<0.001), CrのD/P比ではR=0.773 (p.<0.001), β2-MGのD/P比ではR=0.594 (p.<0.01), AlbのD/P比ではR=0.468 (p.<0.05) と, とくにD/D0 glucose比との間に良い相関を示した. (3) CAPD施行期間と排液中のIL-6値では, R=0.797 (p.<0.001) と良い相関が認められた. 4時間停滞の腹膜透析排液中のIL-6値は新しい腹膜機能の指標となりうる可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本透析医学会
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