日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
Rh (E) 式血液型不適合妊娠に対する二重濾過血漿分離交換の1例
栗崎 功己石塚 修渡辺 健二高石 光二大内 秀高高橋 裕青山 香喜加納 洋藤巻 一美細川 哲志白石 隆興
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 32 巻 5 号 p. 369-372

詳細
抄録

母子間のRh (E) 式血液型不適合妊娠に対し, 母体の抗体除去目的で血漿交換を施行した1例を経験した. 症例は30歳, 女性. Rh式血液型はCCDee. 夫はccDEE. 今回第2子妊娠に際し, 妊娠の継続を強く希望したため, 妊娠11週6日より胎児-新生児溶血性貧血 (HDN: hemolytic disease of the fetus and the newborn) を予防する目的で血漿交換を施行した (出産まで計71回). IgG型抗E抗体の抗体価は初診時妊娠5週4日1024倍であった. 抗体価は血漿交換前128倍, 後64倍で推移したが, 32週4日より血漿交換前512倍, 後256倍と増加傾向を示した. 羊水穿刺は28週1日より約2週間ごとに行い, 36週1日まで計6回施行したが, ΔOD450は0.085から0.127の間であり, prediction zoneにplotし, いずれも抗体による溶血の可能性の少ない領域であるzone IIにあった. 妊娠中の超音波検査では, 胎盤の肥厚, 胎児の肝, 脾の腫大, 腹水, 胸水, 心拡大等異常は認めなかった. 36週6日, 経腟的に女児を分娩, 直接クームス陽性, ヘモグロビン7.0g/dlと貧血を認めた. 交換輸血目的のため当院小児科に入院して光線療法および1回の交換輸血を行い, 経過良好にて退院した.
OD450と胎児超音波所見を目安に血漿交換療法を行ったが, 誕生女児には貧血, 高ビリルビン血症を認めた. HDNを予防するには, 場合によっては臍帯血検査やIgGサブクラスの測定も考慮する必要があると思われた.

著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top