日本透析医学会雑誌
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血漿交換療法と血液透析濾過療法の併用が有効であったA型劇症肝炎: 維持血液透析患者の1例
水政 透重松 祐子中村 祥子後藤 博茂平方 秀樹秋吉 省一郎藤島 正敏
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1999 年 32 巻 5 号 p. 373-377

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抄録

A型劇症肝炎に罹患した維持透析患者に, 血漿交換療法と血液透析濾過療法の併用療法を施行し, 極めて有効であった症例を経験したので報告する. 2年間維持透析施行中であった62歳女性が全身倦怠感と黄疸のため当院に入院した. 入院時の血液検査でALT 157IU/l, AST 185IU/l, 血中アンモニア濃度58μg/dl, 総ビリルビン7.6mg/dl, プロトロンビン時間84%であった. 第19病日より意識レベルは低下し肝性昏睡2度となり, IgM-HA抗体陽性であることからA型劇症肝炎と診断した. 同日より血漿交換療法と高性能膜 (FB 130-U®) を用いた血液透析濾過療法を開始した. 血漿交換療法は1回に2.4lの血漿を処理し, 計3回施行した. また血液透析濾過療法は1回につき8lを濾過および置換し, 1回4時間で計10回施行した.
2回目の併用療法施行後より意識は清明になり, 第39病日より維持血液透析へと移行した. 出血傾向を認めたため, 肝生検は施行しなかった. 血漿交換療法と血液透析濾過療法の併用は維持透析患者のA型劇症肝炎に極めて有効であると考えられた.

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