日本透析医学会雑誌
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C型慢性肝炎に対しインターフェロンーβ治療を行った血液透析患者の1例
IFN-β薬物動態の検討
立花 直樹赤穂 伸二出浦 正樋口 誠洞 和彦小口 寿夫袖山 健白鳥 勝子清澤 研道
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2000 年 33 巻 1 号 p. 61-67

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抄録

症例は36歳, 男性. 1993年9月血液透析が導入され, 同時にC型肝炎ウイルス (HCV) 抗体陽性を指摘された. 生体腎移植を希望し, 移植術前にC型肝炎に対しインターフェロン (IFN) 療法を施行するため当科に入院した. 入院時, HCV-RNAは8.4Meq/ml, HCV genotypeは2a型であった. IFNは血中半減期が短く, 血液透析ルートからの投与が可能なIFN-βを選択した. 試験的にIFN-β600万単位を3分間で静注したところ, 悪心, 嘔吐, 血圧低下を認め, 静注直後のIFN-βの最高血中濃度は25600IU/mlと異常高値となった. このため点滴静注で, IFN治療を開始した. 点滴静注では血中濃度は著しい高値は示さず, 治療を続けた. しかし, 退院後よりIFN投与後の頭痛が増強し, さらに精神症状も出現したため治療を中止した. IFN投与中, HCV-RNAは陰性で経過したが, 投与中止後再び陽性となった. その後, 生体腎移植術を受け, 現在まで経過は良好で, 肝炎の悪化も認めていない. 透析患者に対するIFN-β投与は血中濃度的には, 300万-600万単位を30-60分かけての点滴静注であれば可能と考えられたが, 本例では副作用のため治療中止となった. 透析患者に対する長期のIFN-β治療には細心の注意が必要と考えられた.

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