日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
透析室業務の多様化
アフェレシス療法, 大阪医科大学人工腎センターにおける5年間の統計
中嶋 章貴柴原 伸久上田 陽彦勝岡 洋治
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 33 巻 12 号 p. 1437-1443

詳細
抄録

近年, 透析室における血液浄化業務の一環として様々なアフェレシス療法を行う施設が増えてきている. 1995年から1999年までの5年間に大阪医科大学人工腎センターで行われたアフェレシス療法について集計を行った. 5年間の累計で単純血漿交換 (plasma exchange; PE) 423回, 二重濾過血漿交換 (double filtration plasmapheresis; DFPP) 816回, cryofiltration (CF) 67回, low density lipoprotein apheresis (LDL-A) 191回, ビリルビン吸着 (bilirubin adsorption; Bil-AD) 47回, その他の血漿吸着 (plasma perfusion; PP) 168回, エンドトキシン吸着 (endotoxin adsorption; EAD) 27回の計1739回であった. 疾患別では重症筋無力症30例154回, ギランバレー症候群19例88回などの神経疾患とsystemic lupus erythematosus (SLE) 45例307回などの膠原病, 肝障害73例297回などが多かった. 最近の傾向としてarteriosclerosis obliterans (ASO) や家族性高コレステロール血症の増加が認められた. アフェレシス施行中の副作用は血圧の低下, 手足のしびれなどで重篤なものは認められなかった. 適応の拡大に伴って益々アフェレシス療法は多様化すると考えられ, 透析室の役割も大きく転換することが予想される. 今後はさらに, 血液浄化療法の中でアフェレシス療法が占める割合は大きくなると考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top