日本透析医学会雑誌
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糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎による透析導入時の特徴とその移り変わりの検討: 自治医科大学における血液透析導入の検討 (2)
大友 貴史雨宮 守正井岡 崇佐々木 信博吉田 泉大野 修一江幡 理安藤 康宏本間 寿美子武藤 重明草野 英二浅野 泰
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2000 年 33 巻 8 号 p. 1143-1148

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抄録

目的: 糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎は透析導入の原疾患として, 多くを占める基礎疾患であり, その特徴を理解し導入することは極めて重要である. そこで, 自治医科大学における透析導入時特徴の比較検討を行った. 対象: 自治医科大学透析センターにおいて, 1989年から1998年までの10年間に血液透析に導入した719人の中で糖尿病性腎症群 (DM群) 234人と, 慢性糸球体腎炎群 (CGN群) 272人につき, 導入時の臨床症状, 血液検査などの比較検討を行った. さらに1989, 90年に導入した群と1997, 98年に導入した群の比較を行うことにより, 近年における導入患者の特徴を検討した. 結果: 対象症例の平均年齢はDM群57.6歳, CGN群52.5歳とDM群で有意に高齢であった. また1989年ではDM群28.6%, CGN群45.5%であった導入症例の割合は, 1994年以降DM群が上回る導入となった. 臨床所見ではDM群はCGN群に比べ導入時の尿素窒素, クレアチニンが有意に低く, 臨床症状において体液過剰を示す例が多かった. 反面CGN群では消化器症状を示す例が多かった. さらに89, 90年に導入した群と97, 98年に導入した群を比較すると, 導入時年齢ではDM群で3.3歳高齢化し, CGN群では8歳の高齢化がみられた. 臨床症状はDM群では上記と同様の傾向であったが, CGN群では近年消化器症状を示す例は減少し, むしろ体液過剰を示す例が増加した. 考察: これまでの報告同様, DM群ではCrが低値のうちから体液過剰などの臨床症状を示し導入となる症例が多かった. また導入患者の高齢化が進み, CGN群で著明であった. 今後は疾患別特徴に加え, 高齢者導入の特徴も合わせて検討する必要があると思われた.

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