日本透析医学会雑誌
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人工血管内シャント作製後に発生した虚血性神経麻痺の2症例
平中 俊行山川 智之木村 英二喜田 智幸中村 順一金 昌雄川上 明子
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2001 年 34 巻 4 号 p. 281-284

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抄録

人工血管を用いた内シャント作製後に, 虚血による神経麻痺をきたした2症例を経験した. これは, シャントに血流がスチールされ神経が虚血に陥るために起こる稀な合併症で, ischemic monomelic neuropathy (IMN) と称されている. 糖尿病症例, 末梢性血管疾患合併症例に内シャントを作製した場合に発症しやすいとされているが, 本邦における報告は極めて稀である. 2症例とも人工血管の絞扼術を行い, スチール症状は改善したが, 神経麻痺は改善しなかった. 従って, IMNの対策は早期発見とシャント閉鎖であり, IMNの存在を認識しておくことが重要であると考えられた.

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