日本透析医学会雑誌
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高血圧を有する維持血液透析患者における血圧日内変動の解析と背景因子に関する検討
湯浅 健司天野 慎二島崎 修行大田 和道増田 秀作横田 欣也宮本 信昭寺尾 尚民
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2002 年 35 巻 8 号 p. 1219-1224

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抄録

今回, 高血圧を有する慢性血液透析患者20例を対象に24時間血圧測定 (ABPM) を施行しその解析および血圧日内変動パターンと臨床的パラメーターとくに動脈硬化危険因子/透析関連予後不良因子との関連について検討した. 患者は夜間血圧降下率により2群に分けられた (dipper型とnon-dipper型). Non-dipper型が55% (11/20) にみられた. non-dipper型では, dipper型と比して有意にHt値が低かった (28±3 vs 32±2, p<0.01). またnon-dipper型では, 脈圧亢進群 (PP≧85mmHg) および蛋白摂取量低下 (PCR<0.9) が高頻度にみられた (各々55%, 64%, ともにp<0.05). 結論として, 透析患者におけるnon-dipper型への危険因子として蛋白摂取量低下および貧血が示唆された.

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© 社団法人 日本透析医学会
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