日本透析医学会雑誌
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日本における国際血液透析患者調査DOPPSの成績
秋葉 隆秋澤 忠男福原 俊一斎藤 明大平 整爾関野 宏山崎 親雄岸本 武利大澤 源吾藤見 惺丸茂 文昭黒川 清Jeniffer L. Bragg-GreshamRonald L. PisoniFriedrich K. PortPhilip J. HeldJ-DOPPS研究会
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2004 年 37 巻 10 号 p. 1865-1873

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抄録

Dialysis Outcomes and Practice Pattern Study (DOPPS) は慢性血液透析患者の診療内容とその治療結果に関する国際的観察研究である. 各国の代表的な透析施設から無作為に抽出した血液透析患者の透析に関する診療内容と死亡率, 罹患率, QOLなどの治療結果を調査し, その関連を検討した. 日本の透析患者は, 他の6か国と比較して顕著に死亡率が低く, 透析量の少ない患者群においては, 血流量を増加する, 膜面積を増加する, 透析時間を延長するなどの治療法の変更を行えば, その成績はさらに改善することが期待できることが明らかになった. 一方, 日本の血液透析患者のHtは, 他の6か国と比べて著明に低く, エリスロポエチン投与量を増加するか, 赤芽球癆の問題が解消したら, 投与経路を皮下注に変更すれば改善することが示された.
以上から, 日本の血液透析患者の診療内容をDOPPSデータを使って他の6か国と比較することによって, 透析医療の内容を改善できることが示された.

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