日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
膀胱用軟性ビデオスコープを用いた, 低侵襲ポートレス鏡視下CAPDカテーテル留置術
松下 和通萱沼 賢司深澤 瑞也武田 正之
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 38 巻 12 号 p. 1781-1786

詳細
抄録
これまで当院において腹膜透析カテーテルを留置する際には, 留置後のカテーテル位置異常を予防するために, カテーテルの内視鏡下腹壁固定術を併用してきた. また, それ以前の症例においてカテーテルの位置異常をきたした際には, 内視鏡的にカテーテル整復術を行い, 腹壁固定術を併用した. しかし内視鏡手術を行う際には, 専用のスコープ・ポート・鉗子類が必要となり, 医療経済的な問題が指摘されていた. また腹腔内操作を行う際には, 2箇所以上の腹腔内アクセス路 (ポート挿入) が必要であり, 創部が増えることによる審美的問題も懸念されていた.
今回われわれは, これらの問題点を解決すべく, 膀胱用軟性ビデオスコープを用いたポートレス鏡視下CAPDカテーテル留置術を考案した. この方法においてはポートを使用せず, CAPDカテーテルの腹腔内挿入部とビデオスコープ挿入部を同一部位とすることにより, 創部を増やさず手術を施行することができる. また, ビデオスコープ鉗子チャンネルからの軟性鉗子操作により, カテーテルの牽引やカテーテルからの大網剥離などの腹腔内操作が可能である. 当方法は, CAPDカテーテル留置時に腹腔内の観察が必要な場合, 簡便で, 審美的かつ医療経済的に優れた手技であると考える.
著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top