日本透析医学会雑誌
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腹膜透析休息日を有する処方を長期間継続中の寝たきり入院高齢者の1例
岡田 一義及川 治山崎 俊男伊藤 謙丸山 範晃羽木 千尋樋口 輝美濱嵜 公久松本 紘一
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キーワード: 腹膜透析, 高齢者, 至適透析
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2005 年 38 巻 3 号 p. 233-236

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抄録

週1日PD休息日 (PD holiday) を有する処方を3年10か月間継続中の寝たきり入院高齢者を報告する. 症例は71歳の男性. 慢性腎不全にて寝たきりの状態で近医に入院していたが, 平成12年9月当院に転院となり, HDを導入した. 内シャントの発達悪く, 12月にCAPDに移行した. 尿量は100mL/日と低下していたが, CAPDは順調に経過し, 透析量と予後についてinformed consentを得たうえで, 平成13年1月より週6日のIAPDに変更し, 2月よりAPDiに変更した. ガイドラインで推奨される透析量は得られなかったが, 患者の自覚症状には変化は認めず, 安定した透析を継続できた. 入院当初より食事摂取量低下, 経過中に低カリウム血症や浮腫増強などの問題点を認めたが, 適切な対応により現在もPD休息日を有する処方を継続中である.
日常生活動作が低い高齢者に透析療法を導入する場合, 適切なinformed consentを得たうえで, PD holidayを有する処方を行うことも選択肢の一つに加えてもよいと思われた.

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