日本透析医学会雑誌
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ABO血液型不適合腎移植レシピエントに対する腹腔鏡下脾臓摘出術の検討
松岡 慎冨永 芳博後藤 憲彦植木 常雄宇野 暢晃佐藤 哲彦片山 昭男幅 俊人打田 和治
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2006 年 39 巻 1 号 p. 39-42

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抄録

【目的・対象】当院では, 1972年以降704例の生体腎移植を施行してきた. 1993年以降52例のABO血液型不適合腎移植を経験した. 2001年4月以降ABO血液型不適合腎移植レシピエントの血液透析患者21名に対し, 腹腔鏡下脾臓摘出術を施行し, これらの症例の詳細を検証した. 【方法】生体腎移植2週間前に全身麻酔下, Iateral approach, 脾門部一括処理法により, 3穴式にて, 腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した. 【成績】平均手術時間131.7±45.8 (SD) 分, 平均出血量193.0±505.8mLであった. 21例中1例 (4.8%) で出血のため開腹手術に移行した. 鏡視下で遂行した20例では輸血を要した症例はなかったものの, 開腹手術を施行した症例では輸血を要した. また, この症例は術後高アミラーゼ血症を発症し, 腎移植を一時延期した. 移植後腎機能は全例良好であった. 鏡視下で遂行した20例では術後第1病日に離床可能で, 美容的にも満足のいくものであった. 【結論】血液透析中のABO血液型不適合腎移植レシピエントに対する腹腔鏡下脾臓摘出術は, 比較的安全で, 安定した術式と考えた.

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