日本透析医学会雑誌
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血液透析患者における冠動脈石灰化とCa代謝および血中アディポネクチンとの検討
渡邊 喜彦松井 勝臣江口 亜弥神尾 学山口 憲児小原 まみ子望月 隆弘
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2006 年 39 巻 11 号 p. 1519-1524

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抄録

アディポネクチンは, 冠動脈疾患患者において有意に低値であり, 抗動脈硬化作用をもつとされている. 今回われわれは, 血液透析 (HD) 患者の冠動脈硬化に関わる因子を明らかにするため, 冠動脈石灰化と血中アディポネクチンおよびCa代謝との関連を, 32例のHD患者を対象として検討した. 冠動脈石灰化の評価は, マルチスライスCTを用い, Agaston scoreにて定量した. Agaston scoreは, Ca×P値, intact-PTH値, 透析歴と正の相関を, 血中アディポネクチンとは負の相関を示した. これらの結果から, HD患者の冠動脈石灰化の機序にCa・P代謝異常に加え低アディポネクチン血症が関与している可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本透析医学会
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