日本透析医学会雑誌
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透析室における地震対策 第2報 -棚置き型コンソール用免震機構の工夫-
原 道顯坂本 力也澤村 啓史田添 友美
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キーワード: 免震, 地震実験, 透析, 災害対策
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2006 年 39 巻 12 号 p. 1581-1585

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抄録

棚置き型コンソールDCS-26を用い, 起震装置上で震度4-7, 20秒間の地震実験を行い, カウンターと以下の底面素材に対する地震の影響を, コンソールの飛び跳ね (ユレ) と水平移動 (ズレ) により評価した. (1) 標準仕様鎖1本後方固定, (2) 標準仕様鎖2本前後固定, (3) ゼリー状クッション, (4) ゴム20mm厚, (5) 低摩擦性製作足A, (6) 低摩擦性製作足B (摩擦係数B<A), (7) 低摩擦性製作足B鎖2本前後固定. (3)-(6) は鎖1本後方固定. 実験の結果, 標準仕様のコンソールは震度5以上で動き出した. (2) と (4) では震度5でのユレの低下がみられたが, 震度6, 7では効果がなかった. ゼリー状クッション (3) は震度5以下では十分な効果を発揮したが, 震度6, 7では剥がれてしまった. 低摩擦性製作足は全震度で驚くほどユレの低下がみられたが, 震度4でも水平移動がみられた. (5) (6) の鎖固定は可動範囲の制限に効果があった. (7) の鎖2本固定は可動範囲をさらに狭くすることができた. さらに, 低摩擦性製作足ではコンソール自体にかかる衝撃を軽減できた. 以上より, 鎖固定で可動範囲を制限し低摩擦性底面素材による免震機構を加味した耐震方法は地震対策として極めて有効と考えられた.

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