日本透析医学会雑誌
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キチンーキトサンの大量摂取により著明な出血傾向をきたしたと考えられた血液透析患者の1例
大関 正仁福島 達夫桑原 篤憲作田 健夫春名 克祐小林 伸哉浪越 為八小坂 義秀長洲 一依光 大祐大関 美緒子十倉 健彦堀家 英之亀井 信二石田 敦久駒井 則夫佐々木 環柏原 直樹
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2006 年 39 巻 6 号 p. 1197-1201

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抄録

症例は52歳男性, アルコール性肝硬変の既往あり. 2003年9月に末期腎不全で血液透析療法を開始. 2004年6月30日, 内シャントが閉塞し当院血管外科受診. 術前の出血傾向検査では異常値を認めていない. 入院後, 透析用カテーテルを右内頸静脈に挿入, 穿刺30分後より挿入部から出血し, 呼吸困難となり気管内挿管後, ICUに入室. 入室時の検査では, 血小板数に変化は認めず, APTT, PTの著明な延長, Thrombo Test (TTO), Hepaplastin Test (HPT) の著明な低下を認めた. 急性Vit K欠乏症と診断しVit K製剤の投与を開始した. 投与開始後, カテーテル刺入部からの出血は止血し, 凝固時間も速やかに改善した. 入院直前に市販薬であるキチンーキトサン製剤 (1日30錠: 推薦容量1日10錠) を内服したことが判明した.
以上より, 本例の出血傾向の原因としてキチンーキトサン製剤によるVit K欠乏症が考えられた.

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