心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
原著
乳幼児から就学児童における心室筋再分極過程の変動
―Variability ratioを用いた検討 ―
楠木 啓史栗木 万里奈堀尾 佳世細井 光沙松浦 秀哲藤野 正之宮田 昌史山崎 俊夫長岡 俊治安田 東始哲畑 忠善
著者情報
キーワード: 発育, 性差
ジャーナル フリー

2009 年 29 巻 4 号 p. 290-297

詳細
抄録

【目的】乳幼児から二次性徴前の児童における心周期と心室筋再分極過程の変動を variability ratio(VR)から評価し,年齢による変化について検討した.【対象】心疾患を有さない乳児から就学時までの児童176名を, I群(生後0~6ヵ月,17名),II群(生後7~11ヵ月,21名),III群(1歳,28名),IV群(2~3歳,37名),V群(4~5歳,36名),VI群(6~7歳,37名)の6群に分類し比較検討した.【方法】安静時心電図から 120心拍の RR間隔と QT時間の計測を行い,RR間隔の標準偏差(SDRR)とQT時間の標準偏差(SDQT)から VRを算出し,月齢との関係を求めた.【結果】各群でVR,SDRR,SDQTに性差を認めず,VRは年齢とともに減少し就学時には一定の値となった.年齢別基準値を用いることにより,自律神経系の生後発達を評価できる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2009 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top