1998 年 46 巻 6 号 p. 46-50
今後の機械技術者は問題分析能力とともに総合化の能力も問われることが多くなると考えられる。本学科では,この総合化に対する思考を誘発させる科目として機械工学セミナーを設けた。講師陣は,本学科卒業生で,近隣の企業等に勤務の方々にお願いし,機械工学のどの分野が仕事の中でどのように役立ったかといった話をしていただいた。この目的の他,機械工学への動機付けを,卒業生の活躍ぶりから明確にさせたいこと,および多くの技術者の話を定期的に聞かせ,技術者としての幅を広げさせたいとの思いを,科目開設の目的に込めている。
3年生には少々難しかったようであるが,6年間入替わり講師を勤めた11名の卒業生諸氏の情熱に支えられ,本学科が目的とした実践的技術者教育としても十分なものであった。また,学生の目が地域に向いて来たなど思わぬ副次効果も生まれており,所期の目的以上のものを果たしたと思われるので報告する。