2000 年 48 巻 1 号 p. 34-39
日本技術者教育認定制度が実行されると,大学工学部の卒業生は,国際社会で英語でコミュニケーションをする能力を期待されることになる.私は,この期待に応えるために,現在の大学の英語教育から大幅に違った在り方を提案する.
必修科目に,listening, technical reading and writing, thesis writingとvocabularyを入れる.学生達を丁寧に指導するために,1クラスの受講生と一教師の担当学生数の上限を決め,更に卒業時には認定制度が期待する英語力に到達するために学生達の自主的な学習を強く求める.
英語学は,工学,理学と全く異なった学問的内容を持つので,文科系の英語専攻者が,工学,理科系志望者に必要な英語を教えるのは大変困難である.この問題を解決するのに,工学,理学分野の英語教育専門家を養成する大学院の新設も合わせて提案する.