2000 年 48 巻 4 号 p. 16-22
大学新入生の教育を担当していた教養部が消滅し,各学部が4年間の教育に責任を持つ体制になってから数年余が経過した.一方,新入生の学力低下・学問離れの傾向も顕著になりつつある.本文では,工学部の専門基礎科目「化学基礎」を例として,大学の新教育体制の確立に関わった者が個人的立場から,専門基礎科目の内容,講義担当体制,共通教科書の使用,など過去4年半にわたる諸事項を総括した.特に,共通教科書の使用に関わる問題点がどのような方策でどこまで克服されたかを示した.