企業が工学部卒業生を採用するに当たって評価するのは、技術者としての生涯業績積分値が如何に大きいかである。この生涯業績積分値には、入社時のレベル差はあまり多くは影響せず、大きく影響するのは、入社後のその人の人物としての成長、技術者としての成長である。そして、その成長に数年間の大学での教育が、大きく影響しており、大学での教授を中心とした情熱あふれる研究実践に参加した経験が、後々の成長に有効な教育効果として生きている。すなわち、工業教育に重要なことは、カリキュラムの精緻さではなく、一に懸かって、先生(教授)の資質と工夫に依拠している。