2024 年 69 巻 4 号 p. 307-318
退院困難な小児患者とその家族に対する退院支援の内容を明らかにすることを目的とする.背景:医学的な理由で退院が可能であっても,退院困難な患者がいる.しかし退院困難な小児患者に対する退院支援の内容を示した先行研究は見当たらない.研究方法は質的記述的研究方法であり,看護師を対象とした18人の半構造化面接によりデータを収集した.倫理委員会の承認後,平均勤続年数16.2年の小児看護を経験する看護師を対象に,半構造化面接を実施した.本研究の報告にあたっては,COREQガイドラインを遵守した.参加者は18名で,病棟看護師と地域連携部門の看護師が含まれていた.分析の結果,26のサブカテゴリー,以下の5つのカテゴリーが得られた:「退院の方向性を決める」,「退院支援に関連する情報を収集する」,「子どもや家族へのカウンセリングを行う」,「在宅療養を促進する」,「退院支援に関する情報を共有する」.