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日本環境感染学会誌
Vol. 23 (2008) No. 4 P 285-289

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http://doi.org/10.4058/jsei.23.285

報告

  2001年度から2005年度の5年間に当院で報告された針刺し切創等の事例を分析し,現状と対策について検討した.5年間の総件数は164件で内訳は針刺しが79%,切創が10%,血液体液の曝露事例が11%だった.職種は看護師56%,医師36%,その他8%で,年々医師の報告する割合が増加傾向だった.平均年齢は33.4±9.2歳で30歳以下が約半数を占めていた.発生場所は病棟が47%で最も多く,次いで手術室が32%を占めていた.続いて外来12%,検査室5%だった.年次推移をみると病棟での件数が年当りの件数の変動要因になっていた.発生状況は器材を患者に使用中(42%)と,器材の使用後から廃棄まで(24%)が多く,国内で多いとされるリキャップは6%と少なかった.発生状況で多いのは看護師が後片付け時,医師が手術時であった.要観察例は47件(29%)でHCV 28件,HBV 11件,HIV 3件,その他5件だった.事例による感染例は認められなかった.
  針刺し切創事例の病床規模に対する報告件数は全国調査よりも多い傾向だった.安全器材や廃棄容器の導入などが以前より順次進められており,事例が多いとされるリキャップが少なかった点など一定の効果が認められた.今後の課題として器材使用後の片付け手順の見直しと手術室対策の2点が挙げられた.

Copyright © 2008 一般社団法人 日本環境感染学会

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