日本環境感染学会誌
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原著論文
気管内吸引を必要とする長期在宅療養患者に対する感染管理と口腔ケアの実態調査
森 みずえ千田 好子光畑 律子狩山 玲子
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2009 年 24 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

  気管内吸引を必要とする長期在宅療養患者の肺炎予防を目的とした感染管理方法を考究するため,気管内吸引カテーテル(カテーテル)の管理方法と口腔ケアの現状調査,ならびにカテーテル洗浄液・浸漬液および歯垢の細菌学的検討を行った.患者20名は全員気管切開をしており,18名が寝たきりの状態で,15名に肺炎の既往があった.患者のカテーテルは浸漬(16名)・乾燥(4名)保管の状態で24時間以上繰り返し使用されており,吸引の前後に使用する洗浄液と浸漬液を兼用としている介護者が8名いた.カテーテル洗浄液・浸漬液からはSerratia marcescens (14名)やPseudomonas aeruginosa (6名)の検出率が高く,そのうち6名の洗浄液・浸漬液の生菌数は105 cfu/mL以上と汚染度が高かった.口腔ケアは,ほとんどの患者に1日1~2回実施されていたが,患者の歯垢からはP. aeruginosa (16名),S. marcescens (8名),Klebsiella pneumoniae (3名)などが検出された.患者18名の歯垢からの生菌数は105 cfu/mL以上であった.歯垢からP. aeruginosaないしS. marcescensのいずれかが検出された患者17名中11名の洗浄液・浸漬液から歯垢と同種の細菌が検出された.肺炎のハイリスク患者である在宅療養患者には,カテーテルを清潔に使用するための管理方法を実践することが極めて重要であり,加えて日々の口腔清掃方法を改善する必要性が示唆された.

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© 2009 一般社団法人 日本環境感染学会
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