日本環境感染学会誌
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原著論文
各種N95微粒子用マスクの漏れ率に関する基礎的研究
黒須 一見小林 寬伊大久保 憲
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2011 年 26 巻 6 号 p. 345-349

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抄録

  結核患者を受け入れている施設ではN95微粒子用マスクの使用頻度は高く,毎回着用時にユーザーシールチェックを実施し,年1回程度定性的なフィットテストを実施する必要がある.ユーザーシールチェックは,着用者自身の感覚による影響があり,毎回実施していれば適切な使用ができているとはいいきれない.今回,医療機関における正しい呼吸器感染防護具の使用法の促進のため,N95微粒子用マスクの漏れ率に関する検討をおこなった.
  JIS規格日本人標準人頭にN95微粒子用マスク9種類を着用させた状態で,労研式マスクフィッティングテスターMT-03型®を用いて漏れ率を各15回測定した.
  更に,漏れ率の低値だった製品を選択して,同一製品間の漏れ率のばらつきを検討した.
  その結果,国産製品と折りたたみ型製品がカップ型製品よりも漏れ率が低く,より密着性が高かった.微粒子測定器(particle counter)を使用して漏れ率を定量的に示すことで,日本人に適した種類やサイズを示すことが可能となった.
  漏れ率の低かった3社製品について,同一製品間のばらつきを検討した結果,同一製品間のばらつきが少ないことが明らかとなった.

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© 2011 一般社団法人 日本環境感染学会
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