日本環境感染学会誌
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小児尿培養から検出された基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌の臨床的特徴に関する検討
森 尚義高羽 桂垣内 由美時松 一成
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2017 年 32 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

小児は,尿路感染症(UTI)の罹患頻度が高く,主な起炎菌はEscherichia coliE. coli)であると言われている.一方で,高い頻度で基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生E. coliが検出されており,初期治療の選択が重要となる.そこで,小児尿培養におけるESBL産生E. coliの検出状況と,患児の臨床背景を調査した.小児尿培養から検出されたE. coli 88検体中,ESBL産生E. coliは12検体(13.6%)であった.ESBL産生E. coli検出群において,再発性UTIの診断症例,医療介入歴のある症例,フルオロキノロン系抗菌薬耐性の割合が有意に高かった.よって,市中で小児のUTIをみた時には,フルオロキノロン系抗菌薬耐性のESBL産生E. coliを念頭に,過去の医療介入歴も十分問診することが重要であると考えられた.

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© 2017 一般社団法人 日本環境感染学会
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