日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
短報
SARS-CoV-2感染診断のためのPCR検体採取法および診断精度―口腔からの検体採取法の検討―
髙木 律男田邊 嘉也須藤 弘二山田 瑛子加藤 眞吾
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 37 巻 4 号 p. 139-142

詳細
抄録

COVID-19の診断に鼻咽頭拭い液だけでなく唾液を用いた検査も行われるようになったが,採取方法の違いに関する検討が行われてこなかった.そこで,我々は異なる唾液検体採取法による結果を比較検討した.患者21名から,鼻咽頭拭い液,舌背拭い液,口底部貯留唾液を採取し,それぞれの陽性率およびウイルス量を調べた.その結果,鼻咽頭拭い液95.2%(20/21),舌背拭い液85.7%(18/21),貯留唾液52.4%(11/21)が陽性であった.ウイルス量も鼻咽頭拭い液>舌背拭い液>貯留唾液の順であった.以上より,舌背拭い液を用いることで検出感度が高まることが示唆された.ただし,COVID-19が疑われる場合,いずれの検査でも常に偽陰性の可能性を念頭に再検査の施行を考慮すべきである.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top