環境感染
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院内感染に関するアンケート成績
第2回院内感染対策講習会 (東海・北陸地区) 受講看護婦を対象に
品川 長夫由良 二郎
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1995 年 10 巻 2 号 p. 1-5

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抄録
厚生省健康政策局より日本感染症学会に委託された第2回院内感染対策講習会 (東海・北陸地区) を受講した看護婦を対象に院内感染に関するアンケート調査を試みた. 回答者は246名, 回答率91.1%であり, 結果は以下のごとくであった. 院内感染対策として手洗いは重要である (99%) が, 院内での手洗いはあまり十分ではないと思う (45%). 手洗いにより手が荒れて苦痛である (7%), 荒れて少し苦痛である (29%). 看護婦側からみて医師は院内感染対策についてあまり熱心でないと思う (64%). MRSA患者は隔離するほうが多く (81%), 家族の入室を制限するほうが多い (44%).患者およびその家族のMRSAに対する反応は以前と変らない (37%), 以前より鋭敏となった (33%). 自分の鼻腔よりMRSAが分離されたら除菌してほしい (79%). 患者を含め一般市民はMRSAについて誤った知識を持っていると思う (29%), 誤った恐怖心を持っていると思う (36%). 新聞やテレビなどの報道により一般市民は啓蒙されたとは思えない (53%) などの回答であった.
今後, 院内感染対策ばかりでなぐ一般市民への対応も大切と考えられた.
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