環境感染
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看護婦の消毒薬使用の実態について
矢野 久子広瀬 幸美人見 重美木村 哲
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キーワード: 看護婦, 消毒薬, 教育
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1997 年 12 巻 3 号 p. 186-193

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抄録

適切に消毒薬を使用できる看護婦育成のために, 消毒薬の使用に関する実態調査を行った.571名に質問紙を配布し487名 (85.3%) の有効回答を得た.その結果, 多くの看護婦が消毒薬使用に関する知識の重要性や不適切な使用による危険性を認識していたが, 日常の使用法で期待する消毒効果があがっているかを心配し, 迷いながら使用していた.知識テストでは総論的質問の正解率は高いが, 各論的質問では低かった.使用に迷った時の判断基準となる主な対処行動は「院内感染対策マニュアルを見る」「他の看護婦に聞く」「添付説明文を見る」であった.知識得点・迷いの程度・迷った時の対処行動の関連をみると, 迷いの程度と知識得点の間では有意な傾向があり (p=0.0502), 迷いが高い群が知識が低く迷いが低い群が知識が高かった (p<0.05).迷いの程度と対処行動の間では, 迷いの高い看護婦は有意に「他の看護婦」に聞き, 迷いの低い者は聞いていなかった (p<0.01).知識得点と対処行動の間では, 知識得点の高い群は「消毒薬の本」を見て, 「他の看護婦」に聞かないで「感染対策メンバー」に聞いていた (p<0.01).また, 知識得点の低い群では「他の看護婦」に聞き (p<0.05), 「添付説明文」「消毒薬の本」を見ていなかった (p<0.01).看護教育では, 消毒薬使用に関する各論的内容に重点をおいて積極的に知識を教授する必要がある.

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© 日本環境感染学会
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