環境感染
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簡便なMRSAスクリーニングテストチューブの使用報告
渡部 節子大澤 尚美佐藤 芳美神永 陽一郎戸田 すま子奥田 研爾
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1997 年 12 巻 3 号 p. 199-205

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抄録

MRSAスクリーニングテストチューブの簡便性と正確性について検討する目的でMRSA保存株19種97検体・MRSA陽性患者とその環境 (ベッド周囲の床) を対象に従来法と比較し, 以下の結果を得た.
1.MRSA保存株は48時間でMRSAスクリーニングテストチューブ (チューブ法) において100%陽性を示し, MRSEとS.epidermidisは陰性を示した.
2.EfaecalisS.saprgphyticus, S.haemolyticus保存株の一部はチューブ法において陽性を示したが, コアグラーゼ産生能およびフォスファターゼ産生能の両試験では陰性を示した.
3.事前に鼻腔または咽頭からMRSAが検出された患者5人 (総計7回) と非検出者3人 (総計3回) を対象としてチューブ法で実施した結果, MRSA検出者は4人 (6回) 陽性を示し, 非検出者は全て陰性であった.
4.上記, MRSA検出者5人 (総計10回) と非検出者3人 (総計4回) の環境 (ベッド周囲の床) をチューブ法で実施した結果, MRSA検出者は4回陽性, 非検出者は全て陰性を示し, 従来法との差はなかった.
5.MRSAを同定するためのコアグラーゼ産生能およびフォスファターゼ産生能試験の結果に差はなく, 相関が認められた.
以上のことからMRSAスクリーニングテストチューブは従来法と比較して正確性に問題はなく, 判定においても色調の変化で鑑別するため簡便な方法と考えられる.

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© 日本環境感染学会
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