環境感染
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Pseudomonas aeruginosa Biofilm に対するPolymyxin Bの影響
片山 知美安藤 慎一堀場 優樹星長 清隆名出 頼男
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1997 年 12 巻 3 号 p. 211-214

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抄録

Biofilm中に混在していると考えられる糖, 蛋白量を指標とし, Pseudomonas aeruginosaのbiofilmに対してpolymyxin B (PL-B) が及ぼす影響をclarithromycin (CAM) を対照薬とし比較検討した.
マイクロプレートを用い5.5, 6.5, 7.5の3種のpH条件の人プール尿にP.aeruginosa ATCC27853を接種し同時に1/5, 1/10MICのPL-B, CAMをおのおの添加した群 (I群), 菌浮遊液接種後37℃5日間培養しPL-B, CAMをおのおの添加した群 (II群) に群別し, 37℃ で24時間反応させPL-B, CAMを添加しないコントロールとの差を検討した.1群の糖量はコントロールと比べて大きな差は認められなかった.II群はPL-BのpH6.5で-36.0% (1/5MIC), -43.5% (1/10MIC), pH7.5では-40.8% (1/5MIC), -34.5% (1/10MIC) の差が認められ, CAMと同程度の差が認められた.II群の蛋白量はPL-BのpH6.5で-50.4% (1/5MIC), -33.9% (1/10MIC), pH7.5では-50.9% (1/5MIC), -48.4% (1/10MIC) であり, CAMと同程度の差が認められた.また, これら検体のSDS-PAGE像および走査型電子顕微鏡像でも変化を認めた.
現在, マクロライド剤がいわゆるバイオフィルム感染に有効であると報告されている.今回の検討ではPL-BもCAMと同等の作用を示していた.同剤は局所使用もでき, P.aeruginosaによる尿路バイオフィルム感染症に対して臨床で使用できる可能性があると考えられた.

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