環境感染
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内視鏡洗浄におけるオルト-フタルアルデヒド製剤の安定性と消毒効果
平 七重結城 祥充黒沼 博史唯野 貢司高橋 保志高橋 俊司四戸 政勝斎藤 祐子石掛 恵子樋口 晶文
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2000 年 15 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

医療器具用の化学的滅菌・殺菌消毒剤として新しく開発されたオルトーフタルアルデヒド (OPA) 製剤である0.55%サイデックス®OPAを自動洗浄機で内視鏡消毒に使用し, その安定性, 殺菌効果および内視鏡残留OPA量について検討した.さらに消毒前後の内視鏡付着菌数についても測定した.14日間反復使用後のOPA残存率は10分間浸漬時に85.3%, 15分間浸漬時には82.0%であった.pHについてはほとんど変化はなく, 内視鏡の外観および試料溶液の状態も特に変化は認められなかった.内視鏡から回収した残留OPA量は全採取試料当たり0.0460~0.0664mgと非常に少ない量であった.患者使用直後の内視鏡には口腔内常在菌が103~105/ml前後検出されたが, サイデックス®OPAで消毒後はすべて陰性化した.14日間反復使用後の液において10分間, 15分間浸漬時ともにMRSA, E.coliは30秒以内, M.tuberulosisは1分以内に殺菌された.

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