環境感染
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正常皮膚適用時におけるOPB-2045液の殺菌消毒効果の検討
永井 勲関野 久之由良 明彦西嶋 攝子清水 喜八郎
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キーワード: 殺菌消毒剤, 指数減少値
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2000 年 15 巻 3 号 p. 220-229

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抄録

健常成人男子の背部正常皮膚にOPB-2045液を塗布して, 正常皮膚適用時における有効性 (殺菌消毒効果) と安全性について, グルコン酸クロルヘキシジン (CHG) と比較した.
有効性では, CHGの創傷部位などの非正常皮膚適用濃度である0.05%, 正常皮膚適用最高濃度である0.5%とOPB-2045液の殺菌消毒効果 (指数減少値) を比較した.OPB-2045液は試験した0.02%~0.2%において, 明らかに濃度依存的な殺菌消毒効果のあることが認められた. 消毒30秒後の殺菌消毒効果を比較すると, 0.05%CHGに比べて0.05%, 0.1%, および0.2%OPB-2045液の殺菌消毒効果は有意に高かった.また, 0.5%CHGに比べて0.2%OPB-2045液の殺菌消毒効果は有意に高く, 0.05%および0.1%OPB-2045液は0.5%CHGのそれとほぼ同程度であった.
安全性では, 局所および全身の自覚症状・他覚所見, 生理学的検査, 安静時12誘導心電図および臨床検査を評価項目としたが, 治験薬と因果関係のある異常 (副作用) は認められなかった. しかし, 治験薬との因果関係が否定された臨床検査値の異常変動としては, OPB-2045塗布群では白血球数の上昇が2例, CPKの上昇およびトリグリセライドの上昇が各1例あった. また, CHG塗布群では血糖の上昇およびCPKの上昇が各2例, 白血球数の上昇, GPTの上昇およびLAPの上昇が各1例あった.
以上のように, OPB-2045液の有効性および安全性が確認され, 本剤は新しい殺菌消毒剤として有用性が期待できる.

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© 日本環境感染学会
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