環境感染
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In vitroにおけるBurkholderia cepaciaの消毒薬感受性
清水 正樹奥住 捷子米山 彰子山田 恵子国定 孝夫折笠 義則八代 純子木村 哲
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キーワード: 毒薬感受性
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2000 年 15 巻 3 号 p. 240-246

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抄録

東京大学附属病院で環境または患者から分離されたBurkholderia cepacia 15株を用い, 各種消毒薬の効果を調べた.評価方法に問題のないことを確認するため, 不活化剤を用いた方法と, 不活化剤を用いず反応液を素早く希釈し, メンブランフィルターで消毒薬を除去する方法を比較検討した.またこれら試験結果から各種消毒薬に対し抵抗性を示す1株を選択し, biofilm形成状態の細菌を用い各種消毒薬の効果および消毒薬作用後の細菌の菌体内ATP量についても検討し, 以下の結果を得た.
1. 試験系からの薬剤除去に関し, 不活化剤を用いた方法とメンブランフィルターを用いた方法で, 同様な結果を示し, 用いた不活化剤が試験系に影響せず, 方法の信頼性が高いことを確認したので, それ以後の実験を不活化剤を用いる方法で行った.
2. ポビドンヨード (PVP-I) は全ての菌株に対して優れた短時間殺菌効果を示した.一方, 被験菌15株中に塩化ベンザルコニウム (BAC) または塩酸アルキルジアミノエチルグリシン (AEG) に抵抗性を示す株が散見された.またグルコン酸クロルヘキシジン (CHG) に対しては全菌株が抵抗性を示した.
3. Biofilm形成状態で消毒薬作用後の生菌数と菌体内ATP量の測定結果では, 使用消毒薬により結果が異なるものもあった.

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