環境感染
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環境調査とその解釈
菊池 賢
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2000 年 15 巻 Supplement 号 p. 88-90

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抄録

病院での環境微生物検査はその病院で発生したことのない感染症の発生, もしくは特定の感染症の爆発的な流行時, 特定の研究目的以外, 行う必要はない. 何か感染対策をやっているというポーズ, 免罪符としての定期的な無菌検査, 拭き取り検査, 落下細菌検査は細菌検査室の莫大な徒労と「院内感染対策会議資料」という名の塩漬けされた書類スペースを増やすだけである. 特定の微生物感染症の新たな爆発的流行, 未知の微生物感染症による病院感染の調査は重要な意味を持つ. その目的は感染ルートの解明と感染制御, 封じ込めであり, 迅速な対応と疫学的解釈が必要である.

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© 日本環境感染学会
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