環境感染
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24時間循環風呂における抗酸菌防除対策の試み
滅菌濾材の使用
宮田 町子李 娜山田 博子江崎 孝行
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2001 年 16 巻 4 号 p. 285-291

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抄録

非結核性抗酸菌群は24時間循環風呂を利用している家庭や施設の浴槽水において, 毎日1回塩素系殺菌剤投入 (遊離残留塩素初濃度2mg/L) をおこなっている場合でも高頻度に検出された. 今回は, 一般家庭5軒と業務用2施設 (老人福祉デイサービス施設と児童福祉施設) の浴槽水と濾材洗液を対象に抗酸菌群防除策を試みた. 第一は両性界面活性型殺菌消毒剤で濾材や全装置を殺菌処理後十分水洗する方法を1ヵ月に1回行った. その結果, 浴槽水は2ヵ月目から陰性になったが, 濾材洗液は陰性にはならず, しかも殺菌消毒剤の臭気が残留し苦情が出された. 第二は, 殺菌消毒剤を使わずに1ヵ月1回, 全装置の洗浄と換水をおこなった後, 高圧蒸気滅菌した濾材との交換を行った. その結果, 換水・洗浄・滅菌濾材交換後1週間目までは浴槽水も濾材洗液もほぼ陰性となったが, その後は陽性となる検体がでた. これに対し, 浴槽洗浄・換水と濾過槽の逆洗のみの場合は浴槽水も濾材洗液も処理直後から陽性のままであった.以上の結果から, 抗酸菌群は定着し易く除去しにくいことが分かる. 従って,(1) 少なくとも全装置洗浄・換水を週1回行い,(2) 濾材を滅菌濾材と交換 (濾材は洗浄・高圧蒸気滅菌して再利用) しなければならない. また,(3) 滅菌濾材の交換期間延長の為には, 循環系を60℃以上, 1時間の加熱処理で定着残留している抗酸菌群を部分殺菌する方法が有効である.

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