環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
糞線虫に対する消毒薬の殺虫効果の検討
平田 哲生座覇 修内間 庸文當山 真人新里 敬宮良 高維金城 福則斎藤 厚仲宗根 勇前田 久美子佐久川 廣美安次富 景子伊佐 徳子上原 勝子
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 17 巻 4 号 p. 346-348

詳細
抄録

治療前の糞線虫症患者より培養, 分離した糞線虫虫体を用い, 各種消毒薬の効果について検討した.消毒薬は0.2%及び0.5%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン, 5%ポピドンヨード, 1%及び2%グルタラール, 強酸性水を用い, それぞれ虫体浮遊液と5分, 10分, 15分, 30分, 60分浸漬した.その後普通寒天平板法にて24時間, 48時間後に虫体の有無, 生死について判定した.0.2%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液, 1%グルタラール, 強酸性水は無効であったが, 0.5%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン, 5%ポピドンヨード, 2%グルタラールは殺虫効果を認めた.以上よりエタノールやポピドンヨードあるいは加熱などによる消毒が行いにくい医療器具に関しては0.5%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン, 2%グルタラールに60分以上浸漬する方法が適している.

著者関連情報
© 日本環境感染学会
前の記事
feedback
Top