2003 年 18 巻 2 号 p. 223-226
腹腔鏡下胆嚢摘出術および総胆管切石術施行後にAeromonas hydyophila感染により敗血症を併発し, MOFに至るまで急激に進行し, 術後わずか3日目で死亡に至った一例について報告する.
患者は63歳男性, 平成13年1月2日気分不良, 発熱, 心窩部痛, 嘔吐および灰白色便を認め, 近医にて閉塞性胆嚢胆管炎と診断され, 1月15日当科紹介受診し, 入院となった.入院後, 絶食絶飲とし, 高カロリー輸液を施行した.減黄を待って1月25日腹腔鏡下胆嚢摘出術および総胆管切石術を施行した.術後, 経過は概ね良好であったが, 1月27日, 突然細菌性ショック状態が出現し, その後加療するも, MOF状態となり, 1月28日死亡した.血液培養では激烈な敗血症起因菌として知られているAeromonas hydrophilaを検出した.Aeromonas hydrophilaによる激症敗血症について若干文献的考察を加えて報告する.