環境感染
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集中治療室における手洗い・手指消毒のコンプライアンスを高めるために個人別手形シートを活用した成果
住田 千鶴子丹羽 知美
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2004 年 19 巻 2 号 p. 311-314

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抄録

今回, 看護職員に対し定期的な手洗いトレーニングを行い, 日頃の手洗い状況を客観的に認識させ, 手洗いのレベルアップを図った. 蛍光塗料を用いた洗い残しチェックを行い部位別に合計7点で点数化した. 次に個人別手形シートに洗い残しと手荒れの部位を示し, 各個人に提示して前回の結果との比較, 手洗いの実際, 速乾性擦式消毒薬の適正使用と活用の啓蒙, 皮膚保護剤での保湿を個別指導した. また, 速乾性擦式消毒薬とその効果を記したカードを各ベッドサイド, 人工呼吸器の側など使用しやすい場所に設置した. その結果, 3月, 5月, 9月の3回の調査で洗い残しが3点以上は58%, 48%, 61%, 1点以下は, 19%, 30%, 10%と推移した. 洗い残し結果からみる手洗いコンプライアンスは, 個別指導後2ヵ月では高まったが4ヵ月経ると再び低下しており, 個別指導の間隔と継続が重要であると考える. また, 手荒れは1, 2回目とも約半数の職員のほぼ同じ部位に存在した. しかし, 3回目には17%と減少し, セルフケアについての個別指導と, 速乾性擦式消毒薬の活用の成果がみられた.

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© 日本環境感染学会
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