環境感染
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医療用器材の消毒・滅菌方法の改善に関する検討
院内各部署における実態調査から
横畑 千春山本 英津子新山 久美小野塚 美香奥 直子大井 睦美及川 泰子
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2004 年 19 巻 3 号 p. 351-355

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抄録

Spauldingによるリスクカテゴリー分類では, クリティカル器材は無菌組織や血管系に使用するもの, セミクリティカル器材は粘膜, または傷のある皮膚に接触するもの, ノンクリティカル器材は健常な皮膚と接触または接触しないものと分類している. 本院では, 平成14年2月に院内の「感染対策マニュアル」を作成し, 「消毒と滅菌の指針」の中にリスクカテゴリー分類を明示した. しかし, 医療器材の消毒や滅菌の正しい方法が浸透していないと感じていた.
今回, 感染対策看護部委員会では, 正しい処理が現場で実践できるようになる事を目的に, 医療器材の消毒・滅菌の現状把握と見直しを行なった. さらに, Spauldingによるリスクカテゴリー分類を基に, 各部署が共通に使用している器材について, 院内共通消毒・滅菌マニュアルを作成した. また各部署においては自部署管理器材のマニュアルを作成した. この実践経過を通して正しい消毒と滅菌の方法が全院的に周知・浸透した. このことから新たな器材導入時にも正しい消毒・滅菌の方法を選択できるようになった. その結果, 消毒・滅菌の質の改善, 更に無駄なコストの削減に繋がった.

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© 日本環境感染学会
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