2004 年 19 巻 3 号 p. 401-403
1995年, 1996年に日本における全国的メチシリン耐性黄色ブドウ球菌Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)病院感染症発生状況の調査報告 をおこなったが, その後, 連合王国, アメリカ合衆国等で厳しいMRSA感染症対策の必要性が叫ばれており, 日本の今後の対策を考えるにあたり, 再度全国的現状について調査が必要となった.
結果は, 1999年度から2003年度の5年間において, 年間新入院患者数に対するMRSA感染症例の占める率は, 0.7~0.8%の間を推移し, 増加傾向は見られず, むしろ低減傾向が見られる. これは, 日本におけるMRSA病院(院内)感染対策が功を奏していることを示唆している.