環境感染
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当院における中心静脈カテーテル関連血流感染サーベイランス
CDCガイドラインとの整合性
本田 順一北島 清子松村 美香畑 由美子徳永 美和子木下 絹代兵動 加代子河野 彩子
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2004 年 19 巻 4 号 p. 462-465

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抄録

平成15年6月~9月までに久留米大学病院の7部署においてCVカテーテルを挿入した患者を対象として, 中心静脈カテーテル関連血流感染サーベイランスを施行した.対象7部署で調査期間中に挿入されたCVカテーテルの本数は532本であった. 延べCVカテーテル挿入日数 (Devicedays) は5621日であった.閉鎖式輸液回路使用の有無でのCRBSI率は1000device daysあたり, 閉鎖回路未使用で2.1, 閉鎖回路使用で4.2であり, 閉鎖回路の使用で有意に減少していた. マキシマルバリアプレコーションの施行の有無, インラインフィルターの有無による感染率の変化はなかった. 週一回と週二回の点滴ルートの定期交換で比較検討したが有意差は認められなかった. 今回, サーベイランスを実施することにより, 当院でのCRBSI発生率のエビデンスを出すことができた. また, CDCガイドラインでは言及していないが, 閉鎖式輸液回路の使用することでCVカテーテル関連血流感染を減少させることが可能であった.

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© 日本環境感染学会
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