環境感染
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石けんおよびペーパータオルの設置と排泄後の手洗い行動に関する調査研究
佐竹 幸子小林 冴葉西川 直子猫平 千夏
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2005 年 20 巻 2 号 p. 124-128

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抄録

トイレの手洗い設備に石けんとペーパータオルが設置されていない環境と設置されている環境で, 看護学生の排泄後の手洗い行動に関する観察調査を実施した. その結果, 石けんとペーパータオルの設置により平均手洗い時間が2.7秒 (n=38) から8.1秒 (n=35) と長くなり (p<0.001), 手拭き率も13% (5名/38名) から71% (25名/35名) に上昇した (p<0.001). これらの結果から, 石けんとペーパータオルの設置は手洗いの質向上に効果があったと考える. 排泄後の手洗いに関する看護学生の意識を知るためにアンケート調査を行った結果, 83% (63名/76名) が石けん使用の必要性を認めており, 41% (31名/76名) が実際に石けんを使用すると回答した. しかし, 観察調査で実際に石けんを使用したのは31% (11名/35名) であった. また, 手洗い後に髪に触れる動作が多く観察され (34%) (12名/35名), アンケート調査で50% (38名/76名) が手洗い後に髪に触ると回答した. 手洗い行動について看護学生の注意を喚起するために, この観察結果とアンケート調査結果を看護学生に報告した.

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© 日本環境感染学会
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