環境感染
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ガーゼ・セッシの単包化による経済効果の検討
中村 悦子森下 真澄小林 治谷内 光子望月 康弘
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2005 年 20 巻 4 号 p. 264-267

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抄録

2002年7月, 感染制御チーム (Infection Control Team) の結成に伴ない, 同年8月より感染制御の観点から, ガーゼ用金属カストや鉗子立てを廃止し, ガーゼやセッシの単包化をおこなった.(ガーゼは単包化滅菌製品を購入し, セッシは院内の中央材料室で単包化と滅菌をおこなった.) 単包化は, 感染制御ばかりでなく, コスト削減の対策としても有効であると報告されているため, 単包化2年の経済効果について検討した. 単包化前の2002年2月から2002年7月までの6ヵ月間と, 単包化後の2002年8月から2004年7月までの24ヵ月間におけるガーゼとセッシの1ヵ月あたりの供給数から諸経費を算出し, 経済効果を評価した. 単包化によりガーゼ供給数は, 単包化前よりも1ヵ月あたり10,700枚減少し, 諸経費は78,000円減少した. また, セッシ供給数は, 単包化前よりも1ヵ月あたり1,800本減少し, 諸経費は14,300円減少した. 供給数と諸経費の減少から, 年間約110万円の経費削減が得られた. これは単包化供給により, 無駄な使用と供給が減少した為である. ガーゼ・セッシの単包化供給は, 感染制御の観点のみならず, 経済的にも有効であった.

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© 日本環境感染学会
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