環境感染
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医学科学生の臨床実習開始前教育および客観的臨床能力試験における感染対策技能教育に関する考察
石井 誠一佐藤 成國島 広之位田 剣
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2007 年 22 巻 1 号 p. 52-56

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抄録

医学科の学生が臨床実習に参加する際, 感染対策に係る技能は必須の能力であり, 昨今の診療参加型臨床実習の推進にともないその重要性は増している. 全国の医学部 (医学科) 学生に課されている臨床実習開始前の共用試験のうち, 技能評価を行う客観的臨床能力試験 (OSCE) では感染対策は外科系手技の一部として扱われている.しかし, 実際にOSCEで外科系手技の中から感染対策に関する課題を採用している大学は少数に留まっている.今回, 医学科学生の臨床実習中の医行為経験頻度と各医行為に対する重要性認知度等を検討するため, 平成16年度の臨床実習を修了した東北大学の医学科学生と学生教育を担当した大学病院全科の指導主任教員を対象として, 質問紙法による調査を行った.その結果, 感染対策は診療科の専門性に関わらず臨床実習における経験頻度, OSCE課題に取り上げるべき必要性の認知度ともに高かった.病院感染対策は知識のみでなく技能として習得し実践することが必須であるため, 医学科学生の臨床実習開始前教育に手指衛生等の実技教育を積極的に取り入れるべきであり, OSCEの課題としても採用することが望ましいと考えられた.

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