環境感染
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2施設共通抗菌薬使用ガイドラインの施行による注射用抗菌薬の使用量と細菌感受性率の変化
田村 健悦中居 肇平賀 元
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2007 年 22 巻 2 号 p. 122-127

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抄録

青森県八戸市を中心とした地域医療圏の中核を担う総合病院2施設問において共通様式で抗菌薬使用ガイドラインを作成し院内に提示した. 同時に抗菌薬の使用動向と細菌感受性率の推移のサーベイランスをおこない, 適正使用を呼びかけた. その結果, ガイドライン発行直後から抗菌薬の総使用量は両施設とも年間約5%ずつ減少した.
イミペネムの使用量推移とP seudomonas aeruginosa (P. aeruginosa) 感受性率に2施設間で格差がみられ, 総使用量の違いが要因のひとつとして考えられた. また2施設を除いた近隣の他の医療機関における感受性率はより低く推移していた. 今後は地域の抗菌薬使用動向も把握する必要があると考えられる. 医療連携がすすむ中, 耐性菌対策は施設内だけの取り組みだけでは不十分で, 地域ぐるみで使用ガイドラインを提示するなど, 抗菌薬の適正使用を厳格に推進していく必要がある.

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