抄録
現在,T1a腎癌に対して腎部分切除術が標準術式になってきている.同手術は従来開放性手術で行われていたが,低侵襲手術として腹腔鏡手術が行われるようになった.しかしながらその難易度は高く,特にrenorrhaphyでは高度の技術が要求される.手術支援ロボット(da Vinci Surgical System)は高解解像度3D視野,多自由度鉗子,手ぶれ防止機構,などの特徴を備えており,腎部分切除術において,とりわけrenorrhaphyにおいては有効であると考えられる.本稿では神戸大学での方法を中心にロボット支援腎部分切除術におけるrenorrhaphyについて概説する.