2017 年 30 巻 1 号 p. 102-106
尿路結石治療に伴う合併症として稀ではあるが尿管狭窄が認められる.これに対し尿管ステント留置やさまざな手術の有用性が報告されている.しかし,尿管ステント留置の場合,長期留置が必要となることが多く,留置に際し合併症や,患者の苦痛を伴うことが多い.また,種々の手術成績を比較検討した報告は調べうる限りみられなかった.
我々は3例の結石治療後の尿管狭窄症に対し,尿管鏡併用腹腔鏡下尿管尿管吻合術を施行した.尿管鏡を併用することで狭窄部位を可視化し,単回で低侵襲にstent freeの成績を得ることができ,この術式は,結石治療後の尿管狭窄に対し有用と考えられた.今後,さらに症例を重ね手技を確立していくこと,また長期間注意深くフォローアップしていくことが重要と考えられた.