Japanese Journal of Endourology
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腹腔鏡手術
無阻血といえども腎機能は低下する
~ミニマム創ソフト凝固無阻血無縫合腎部分切除術の治療成績~
野原 隆弘上野 悟中嶋 一史重原 一慶成本 一隆泉 浩二角野 佳史北川 育秀小中 弘之溝上 敦
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2017 年 30 巻 2 号 p. 223-227

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抄録

 【緒言】当科で施行した, 小径腎腫瘍に対するソフト凝固によるミニマム創無阻血無縫合腎部分切除術の治療成績を, 腎機能を中心に報告する.

 【方法】前向き観察研究に同意が得られた19例を対象とした. 術前と術後7日目の採血, レノグラムから患側・健側それぞれの推算GFR (split eGFR) を算出し, 術前後の分腎機能の変化につき比較検討した.

 【結果】患側split eGFRは術前比28.5±14.0%の低下を認め, 健側腎機能は術前比8.2±12.0%の上昇を認めた. RENAL score 8点以上の症例群で, より顕著な低下を認めた.

 【結論】ソフト凝固は無阻血の腎部分切除を可能にする反面, ジュール熱による大きな患側腎機能低下が起こる可能性が示唆され, 本術式の適応について再考する必要があると思われた.

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© 2017 日本泌尿器内視鏡学会
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